今日は
2005年3月4日平和な一日でした。
しかし我が家では風邪が流行っています。注意しなきゃイカン。
今書いている図面の施主が、はっきり言ってあきれてしまう程住宅に関して無知です。というか、勉強の仕方を間違っているというかなんというか。住宅雑誌のアイデア特集みたいなのを一杯持って来て、こんなのにしてほしい、あんなのが欲しい、と言いたい放題言うのはいいんですが、それを全部実現していたらプランが無茶苦茶になりそう。
まず敷地が"風致地区"なので、建坪率20%、容積率50%、総二階不可、と言った割と厳しい規制があります。敷地は114坪ですが、建平率から実際に使用出来る土地は非常に狭いのです。
それにもかかわらず、
おばあちゃんの部屋は12帖欲しい、子供は三人で、それぞれ6帖欲しい、綺麗な夜景が見られる場所なので夜景を見るためのフリールームが欲しい、可能な限りの収納が欲しい、窓も沢山とって欲しい、友達が来たときにみんなで飲めるようにバーカウンターみたいなのが欲しい、などなど
そして終いに、予算は2400万。
一度図面をお渡ししたにもかかわらずこの反応。
はっきり言って、物理的に絶対不可能です。面積がオーバーするのがわからないのはまぁしょうがないとして、例えば、収納が一杯欲しいけど窓も一杯という要望が相反していることに何故気付かないんだろう??また、ダイニング自体が相当厳しいにも関わらず、まだバーカウンターが欲しいとな。
今の1.5倍の敷地があっても厳しいと思います。
なんだか話を聞いていると、住宅を建てるということに大して、あまりにも積極的に、そして世間の情報を鵜呑みにしているように感じます。雑誌を読み漁っては良いと思ったアイデアを整理していらっしゃるのですが、そのアイデアにはそのアイデアなりに、何かしら背景があってのものなので、何でもかんでも応用すればいいってものでも無いと思います。特に収納なんてものはプランによって流動的に変化するものです。収納だけを考えた家というのも面白いかもしれませんが、それならばこの家の場合子供部屋を6帖ずつ取ったりするのは無理になります。(←この家の場合、という辺りがどうやらわかってもらえて無いように感じます)おおよそプランはそれぞれ相関関係にあって成り立つものなので、あんまり無理にイジるとフランケンシュタインみたいな家になってしまいます。現実にウチのアトリエでもそういう家になってしまったケースも多いです。
もちろん、家というのは建築家の独断で造るものでは無くて、施主さんと話しあって建ててゆくものです。ただ、寿司屋さんに行って自分で寿司を握る人が居ないのと同じように、ある程度の仕事はプロに任せた方がいいんじゃないでしょうか。。。自分が何を食べたいか、それだけ伝えれば十分ですよね。
というのも、施主が提案した家が真に施主にとって住みやすい家だということは現実的にはほとんど無いからです。施主自身にもわからない、あるいは考えつかない、しかし施主にとって本当に住みやすい住宅を設計するのが住宅建築家の仕事なんじゃないでしょうか。商業建築には無い難しさだと思います。
それはそうと、施主さんの話を聞いていて改めて思ったんですが、劇的ビフォアアフター、あの番組にはかなり重大な問題があります。
それは、"予算"。
その金額じゃ絶対に無理だろ!!!という家が多い。というかほとんどそう。
あんまり見ないのですが、先日たまたま見たビフォアアフターでは、狭い家におばあちゃん一人。一階で昔お店をやっていたが、もう一度今度はおむすびやさんをやりたいといった趣旨の改装、厨房器具とデザイン料を差し引いたとしても、1000%不可能な金額でした。しかもほとんど家を全部建て直したみたいな改装でしたが、、、(でもまぁ内容はそんなに悪くなかったかな)
一階だけでもう予算全部使っちゃいそうって勢い。
あぁいう番組があると、困るのは街の工務店と設計事務所。「あの番組ではこんな値段でやってましたよ」と言われることが時々あるみたいですが、それはテレビだからです、誇張しているんです、絶対無理です、と答えているみたいです(笑)
無理なものは無理なんです。残念ながら。
施主さんに対する、ちょっとした不満でした。
2400万で無理ってことは無いんですけどね。
しかし我が家では風邪が流行っています。注意しなきゃイカン。
今書いている図面の施主が、はっきり言ってあきれてしまう程住宅に関して無知です。というか、勉強の仕方を間違っているというかなんというか。住宅雑誌のアイデア特集みたいなのを一杯持って来て、こんなのにしてほしい、あんなのが欲しい、と言いたい放題言うのはいいんですが、それを全部実現していたらプランが無茶苦茶になりそう。
まず敷地が"風致地区"なので、建坪率20%、容積率50%、総二階不可、と言った割と厳しい規制があります。敷地は114坪ですが、建平率から実際に使用出来る土地は非常に狭いのです。
それにもかかわらず、
おばあちゃんの部屋は12帖欲しい、子供は三人で、それぞれ6帖欲しい、綺麗な夜景が見られる場所なので夜景を見るためのフリールームが欲しい、可能な限りの収納が欲しい、窓も沢山とって欲しい、友達が来たときにみんなで飲めるようにバーカウンターみたいなのが欲しい、などなど
そして終いに、予算は2400万。
一度図面をお渡ししたにもかかわらずこの反応。
はっきり言って、物理的に絶対不可能です。面積がオーバーするのがわからないのはまぁしょうがないとして、例えば、収納が一杯欲しいけど窓も一杯という要望が相反していることに何故気付かないんだろう??また、ダイニング自体が相当厳しいにも関わらず、まだバーカウンターが欲しいとな。
今の1.5倍の敷地があっても厳しいと思います。
なんだか話を聞いていると、住宅を建てるということに大して、あまりにも積極的に、そして世間の情報を鵜呑みにしているように感じます。雑誌を読み漁っては良いと思ったアイデアを整理していらっしゃるのですが、そのアイデアにはそのアイデアなりに、何かしら背景があってのものなので、何でもかんでも応用すればいいってものでも無いと思います。特に収納なんてものはプランによって流動的に変化するものです。収納だけを考えた家というのも面白いかもしれませんが、それならばこの家の場合子供部屋を6帖ずつ取ったりするのは無理になります。(←この家の場合、という辺りがどうやらわかってもらえて無いように感じます)おおよそプランはそれぞれ相関関係にあって成り立つものなので、あんまり無理にイジるとフランケンシュタインみたいな家になってしまいます。現実にウチのアトリエでもそういう家になってしまったケースも多いです。
もちろん、家というのは建築家の独断で造るものでは無くて、施主さんと話しあって建ててゆくものです。ただ、寿司屋さんに行って自分で寿司を握る人が居ないのと同じように、ある程度の仕事はプロに任せた方がいいんじゃないでしょうか。。。自分が何を食べたいか、それだけ伝えれば十分ですよね。
というのも、施主が提案した家が真に施主にとって住みやすい家だということは現実的にはほとんど無いからです。施主自身にもわからない、あるいは考えつかない、しかし施主にとって本当に住みやすい住宅を設計するのが住宅建築家の仕事なんじゃないでしょうか。商業建築には無い難しさだと思います。
それはそうと、施主さんの話を聞いていて改めて思ったんですが、劇的ビフォアアフター、あの番組にはかなり重大な問題があります。
それは、"予算"。
その金額じゃ絶対に無理だろ!!!という家が多い。というかほとんどそう。
あんまり見ないのですが、先日たまたま見たビフォアアフターでは、狭い家におばあちゃん一人。一階で昔お店をやっていたが、もう一度今度はおむすびやさんをやりたいといった趣旨の改装、厨房器具とデザイン料を差し引いたとしても、1000%不可能な金額でした。しかもほとんど家を全部建て直したみたいな改装でしたが、、、(でもまぁ内容はそんなに悪くなかったかな)
一階だけでもう予算全部使っちゃいそうって勢い。
あぁいう番組があると、困るのは街の工務店と設計事務所。「あの番組ではこんな値段でやってましたよ」と言われることが時々あるみたいですが、それはテレビだからです、誇張しているんです、絶対無理です、と答えているみたいです(笑)
無理なものは無理なんです。残念ながら。
施主さんに対する、ちょっとした不満でした。
2400万で無理ってことは無いんですけどね。
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